この資格で法律上できること
労働安全衛生法第61条は、政令で定める業務について、都道府県労働局長の免許を受けた者等でなければ従事させてはならないと定める(就業制限)。労働安全衛生法施行令第20条第9号は「潜水器を用い、かつ、空気圧縮機若しくは手押しポンプによる送気又はボンベからの給気を受けて、水中において行う業務」をこの対象業務として指定している。これを受け、高気圧作業安全衛生規則第12条は「事業者は、潜水士免許を受けた者でなければ、潜水業務につかせてはならない。」と定める。
この資格で法律上できること
- 潜水器を用い、空気圧縮機・手押しポンプによる送気又はボンベからの給気を受けて水中で行う業務に就ける(施行令第20条第9号、高圧則第12条)
- 送気量・送気圧の技術基準(毎分60リットル以上等)に関する知識をもとに、送気設備の管理に関わる(高圧則第28条)
- 連絡員・送気を操作する者と連携し、潜降・浮上の安全管理を担う(高圧則第36条)
- 信号索・水中時計・水深計等の携行品を用いた安全な潜水業務の遂行ができる(高圧則第37条)
根拠条文
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労働安全衛生法(昭和47年法律第57号) 第61条
政令で定める業務については、都道府県労働局長の免許を受けた者又は技能講習を修了した者等でなければ、その業務に就かせてはならない(就業制限)。
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労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号) 第20条第9号
潜水器を用い、空気圧縮機若しくは手押しポンプによる送気又はボンベからの給気を受けて水中において行う業務を、就業制限に係る業務として指定。
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高気圧作業安全衛生規則(昭和47年労働省令第40号) 第12条
事業者は、潜水士免許を受けた者でなければ、潜水業務につかせてはならない。
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高気圧作業安全衛生規則(昭和47年労働省令第40号) 第52条・第54条
潜水士免許は潜水士免許試験に合格した者等に都道府県労働局長が与える。試験は潜水業務、送気・潜降及び浮上、高気圧障害、関係法令の4科目の学科試験で行う。
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就く仕事・職場
就く仕事・職場
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港湾・土木工事業(水中工事)橋脚・護岸・防波堤等の水中構造物の点検・施工に潜水士免許が必要な業務が伴う。 出典
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サルベージ・海洋調査等一般社団法人日本潜水協会が「港湾潜水技士」等の関連制度を運営し、業界団体として活動。 出典
厚労省 job tag の職業ページ
数字で見る(公的統計)
| 項目 | 潜水士 |
|---|---|
| 就業者数(全国) | 647,530人出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成 |
| 賃金(年収・全国) | 466.9万円出典:令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成 |
| 労働時間(月間・全国) | 168時間出典:令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成 |
| 平均年齢(全国) | 41.6歳出典:令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成 |
| ハローワーク求人賃金(月額・全国) | 28.6万円(令和7年度)対前年度差 +1万円 |
| 有効求人倍率(全国) | 7.7倍(令和7年度)1人の求職者に対して求人が多い=人手不足の目安 |
年齢別の賃金(令和7年度)
| ~19歳 | 292万円 |
|---|---|
| 20~24歳 | 330万円 |
| 25~29歳 | 427万円 |
| 30~34歳 | 464万円 |
| 35~39歳 | 447万円 |
| 40~44歳 | 497万円 |
| 45~49歳 | 545万円 |
| 50~54歳 | 568万円 |
| 55~59歳 | 529万円 |
| 60~64歳 | 492万円 |
| 65~69歳 | 530万円 |
| 70歳~ | 471万円 |
job tag の統計データは、その職業が属する主な職業分類(厚生労働省編職業分類)に対応する値であり、必ずしもその職業のみの数値ではない。(この数値は職業分類「その他の建設の職業」の値)
出典:job tag(厚生労働省職業情報提供サイト)(取得日:2026-09-01)
求人の数字の読み方
有効求人倍率は、ハローワークの求職者1人あたりの求人数を示す指標です(1を超えると求人が求職者より多いことを意味します)。
求人賃金は、ハローワーク求人票に記載された月額の平均値で、賞与・残業代の扱いは求人票によって異なります。
いずれも職業分類単位の全国値であり、地域・企業規模・雇用形態によって数値は異なります。
現場で実際に起きている事故・ミス
深深度作業での窒素酔いによる2名死亡
灯浮標設置工事で水深約50メートルの潜水作業中、2名の潜水士が予定時刻に浮上せず、後に死亡が確認された。窒素酔いにより判断力が低下しマウスピースを外した可能性が指摘され、救援に向かったもう1名も巻き込まれたとみられる。
合格後に守ること:深深度での潜水業務は窒素酔いのリスクが高く、事業者は高圧則が定める連絡員の配置・送気管理(第36条)等の安全体制を徹底する必要がある。
送気ホースの損傷による一酸化炭素中毒
港湾海岸工事業の現場で、空気圧縮機の吸気ホースがエンジン排気口に接触して穴が開き、排気ガスが送気に混入して潜水士が一酸化炭素中毒となった(低体温症も併発、休業1名)。
合格後に守ること:高圧則第9条は送気する空気を清浄にする装置の設置を義務付けており、機器の日常点検と警報装置の整備が事故防止の要となる。
急浮上による肺の損傷で死亡
河川護岸工事で水深約4メートルの潜水作業中、いったん浮上後に再潜水した潜水士が呼吸を止めたまま急浮上し、肺の損傷により死亡した。潜水経験が浅く、息を止めて浮上することの危険性の認識不足が指摘されている。
合格後に守ること:高圧則第36条は連絡員に潜水業務従事者の潜降及び浮上を適正に行わせる役割を課しており、急浮上を防ぐ教育・連絡体制が必要。
資格の階段・関連資格
資格の階段
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潜水士免許試験(学科試験、4科目)に合格高気圧作業安全衛生規則第54条 出典
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都道府県労働局長から潜水士免許を取得高気圧作業安全衛生規則第52条 出典
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潜水業務に従事し、送気・連絡体制等の実務経験を積む高気圧作業安全衛生規則第12条・第36条 出典
関連資格
よくある質問
潜水士免許は何のために必要ですか?
潜水器を用い、空気圧縮機・手押しポンプによる送気又はボンベからの給気を受けて水中で行う業務は、労働安全衛生法上の就業制限業務です(法第61条、施行令第20条第9号)。事業者はこの業務に潜水士免許を受けた者しか就かせることができません(高気圧作業安全衛生規則第12条)。
潜水士免許試験にはどんな科目がありますか?
潜水業務、送気・潜降及び浮上、高気圧障害、関係法令の4科目の学科試験のみで、実技試験はありません(高気圧作業安全衛生規則第54条)。
潜水士はレジャーダイビングの指導者資格と同じですか?
異なります。潜水士は労働安全衛生法に基づき、送気・給気を受けて行う「業務」としての潜水に必要な国家資格です(法第61条、高圧則第12条)。レジャーダイビングのインストラクター認定(Cカード等)は民間団体による資格で、法的根拠が異なります。
出典・参考(公的機関)
- 労働安全衛生法(e-Gov法令検索) ── https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057
- 労働安全衛生法施行令(e-Gov法令検索) ── https://laws.e-gov.go.jp/law/347CO0000000318
- 高気圧作業安全衛生規則(e-Gov法令検索) ── https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000040
- 職場のあんぜんサイト「潜水業務における窒素酔いによると考えられる業務上災害」 ── https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=000822
- 職場のあんぜんサイト「潜水士への空気を供給中、排気ガスが送気に混入したことによる一酸化炭素中毒」 ── https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=101585
- 職場のあんぜんサイト「河川の護岸工事で潜水作業中の潜水士が急浮上して肺破裂により死亡」 ── https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=100299
- 公益財団法人安全衛生技術試験協会 ── https://www.exam.or.jp/
- 一般社団法人日本潜水協会 ── https://www.sensui.or.jp/